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できる子できない子5
できる子できない子の第5回は、「目標・目的の有無」についてです。一体、何を目標に、あるいは、
何の目的で勉強するのかということです。目的のない教育はあり得ません。以前、真教育論で述べま
したが、近代産業資本主義社会において優秀なプレイヤーを育てることが現代教育の担う役割であり
最終的な目的です。ただ、その中でどのようなプレイヤーを目指すかによって個々の目標は違って
来るわけです。どのようなプレイヤーを目指すかは、学ぶ側である生徒自身が決めることであって、
教育を行う側が決めることではありません。教育を行う側、つまり、親や教師、また社会が決められ
るものではないのです。

 ところが、そこのところが大変誤解されているように思います。とくに、社会の情勢によって
人気の職業が大きく変化するのは変な話です。社会がその人の将来や職業を決めるのであれば、
そこは産業資本主義社会ではなく、社会主義共産主義社会です。現在の日本経済が一向に良くな
らないのも、「自らの責任において目標を定め、それを追求してゆく」という、近代産業資本主
義社会においては当然の姿勢が欠如していることにあると思います。ここで重要なのは、その目
標ないし目的が、他人や社会に与えられたものではなく、自らの責任で自らに課したものでなけ
ればならないということです。なぜなら、その目標を達成したとしても報われるかどうかは誰に
も分からないからです。

 我々の暮らす社会は、目標を達成したとしても報われない場合があるという事実を受け入れな
くてはなりません。来春大学を卒業しても就職先がない人の割合は過去最大です。「良い就職先
を見つけるために大学へ入る」ことを目標に勉強して来た、報われなかった若者がどれほどいる
か想像してみて下さい。それが、親や教師が言った「大学へ入れば良い就職先が見つかる」とい
う無責任な言葉を鵜呑みにしてやって来た結果だとしたら・・・目も当てられません。

 誰にも先の事は分からない。この単純な真実から分かること、それは、自分の生きる目的とな
成し遂げるべき目標は自分自身にしか立てられないということです。この、ある意味冷厳な真実
を教えずして教育とは言えない、私はそう考えています。

 入塾の際に必ず書いてもらう質問用紙があるのですが、最近ではみんなが、それこそ100%が
「何のために勉強するのか」という問いに「良い学校にはいるため」と書きます。そして「なぜ良
い学校に入りたいのか」と尋ねると、これまた100%「いい仕事に就くため」と応えます。どこで
教わったのかわかりませんが、「今のこの国の教育は随分罪なことをするもんだ」と思わずには
いられません。そう応える傾向は年を追うごとに強まっていて、以前はこの質問に別の答えを書く
子は決まって、良くできる、あるいは、必ずできるようになる生徒でしたが、今では違う答えを
書く子がいなくなってしまったので、質問用紙自体の意義が失われつつあります。

 目標も目的もなく勉強して来た子供が、大きな挫折を経験したとき、果たして立ち直れるので
しょうか。本当にできる子というのは、学ぶ時に確固たる目標を持っています。その目標は、想
像もつかないような未来のことでなくても構わないんです。何かをもっと知りたいとか、これが
できるようになりたいとか、そんな身近で具体的なことからで構わない。それがやがて未来へと
繋がっていくのです。何の目的も目標もなく、ただ教えられたことができるだけでは、将来どん
な仕事に就いても、本当にいい仕事ができるようにはならないでしょう。

 さて今度は、一体誰が本当にできる生徒に成長してくれるのか、私達は毎日楽しみに待っています。