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教科書クラスと試験結果
「どうして、こんなに覚えないのでしょう?」
「どうして、いつまでも同じ間違いを繰り返すのでしょう?」

近年、子供たちが学校の授業内容をまったく理解できなくなっており、
試験前に1~2週間の試験対策を行うだけでは、とても間に合わなくなってしまったため、
今年から「教科書クラス」を創設しました。

教科書クラスでは、4月に新学期が始まってからずっと、
中間試験のための対策授業だけを行って来たわけですが、
残念ながら、時間と労力をかけた割には十分な結果が得られていません。

原因は、試験の答案を見れば、明々白々。
時間をかけて何度練習・復習をさせても、いつまで経っても
覚えておくべき基本事項(英単語・漢字・公式等)をきちんと覚えないし、
ずっと同じ間違いを繰り返すという状態から抜け出せないからです。

実際、生徒たちの答案をチェックしてみると、
何度もやったはずの同じ問題を、最初にやった時と全く同じ間違え方をしているのです。

たとえば、英語であれば、
単語の綴り間違い、ingのつけ方の間違い、三単現や複数形のsの付け忘れ等々、
全て試験前に間違えたことで、しかも、何度も繰り返し練習させたことばかり。

教科書クラスに関しては、今回の中間テストまでの授業時間に、
同じ範囲を少なくとも3~5回は復習させて試験に臨んだはずなのですが、
それでも、練習した時に間違えたのと全く同じ間違え方を本番でもしているのです。

今の状態を一言で言えば、
「必要なことを覚えず、また、自分のした間違いを修正できない」
ということになってしまいますね。

この状態では、勉強に限らず、どんなことについても
きちんと出来るようになるとは思えませんし、
将来的なこと言えば、このままでは決して良い仕事ができる大人にはなれないでしょう。

一体どうしてこんな状態になってしまうのでしょうか?

まず言えるのが、小学生の頃の訓練不足でしょう。
丸暗記教育に対する批判に応える形でいわゆる「ゆとり教育」へ移行した頃から
小学校教育の現場では、漢字や計算の練習等、反復練習をさせる機会が激減しています。

子供たちの目線から言えば、覚えることを強制されないため、
「別に覚えなくても困らない」という認識が当たり前の状態になってしまった。
そうして、基本的なことを覚えていないまま、エスカレーター式に進級、卒業する。

当然の帰結として、中学に進学した子供の多くは、
基本的な漢字の読み書きも、計算も正確にできない状態です。

そして、最大の問題は、
そういう子供たちは、記憶能力が未発達だということです。驚くほどキャパシティ(記憶容量)が小さい。
英単語を数個覚えさせるだけでも数時間かかります。しかも、すぐに忘れてしまう。

人間の脳というのは本来、覚えていることが増えれば増えるほど
新しく覚えることが容易くなるという仕組みになっています。
勉強ができるようになるためには、覚えるのが苦にならない状態まで辿り着かないといけないのです。
そこへ辿り着くまでは無理にでも覚えさせるということをやらないといけない。
これは、勉強ができるようになるためには、絶対に避けて通れない関門です。

覚えるのがあまり苦にならないのは、まだ頭の柔らかい小学生の間です。
それをしないまま、中学生になってしまうと、年齢的にどうしても頭が固くなって来るため、
いざ覚えようとすると、大変なストレスを感じるようになってしまうのです。

多くの親御さんが勘違いしておられるのは、
「社会や理科という教科は覚えればいいだけだから自分でできるはず」と考えておられることです。
今の子供達は、その「覚える」という単純な作業ができないのです。

特に「社会や理科は中3になってからでいい」とお考えの方に申し上げたいのですが、
はっきり言って、絶対に間に合わないでしょう。
覚える習慣がついていない子供達は、中3の一年間に社会だけしかやらないでいい
ということにしても、受験に必要なことを全て覚えるのはまず無理です。

ですから、そうならないように、
できるだけ早期に「覚える」ことに慣れさせる必要があるわけですが、
それまでにそういう訓練を受けていない中学生にこれをさせようとすると、
心理的な抵抗が非常に強く、覚えること自体に大変なストレスを感じるわけです。
そこまで嫌がらなくてもいいだろうと思うくらい、とにかく嫌がる。

年齢的にも大人の言うことを聞かなくなる時期だということもあり、
自発的にこのストレスに堪えようとしてくれる中学生はもうほとんどいません。
むしろ、初めから「覚えられるはずがない」と決め込んで、
はっきり「無理や」と言う子供がほとんどです。
しかも、年々そういう子供の数は増える一方です。

勿論そこを乗り越えないと先がないので、我々は有無を言わさずやらせますが、
脳の仕組み上、本人に「覚えよう」という意思がない限り、
何十回、何百回練習させようとも、結局、長期的な記憶としては頭に残りません。
もう少し言えば、人間というのは、
「これは自分にとって必要なことだ」と思わなければ、覚えようとはしない、そういう生き物なのです。

ですから、勉強云々の以前に、まずは「無理だ」とか「嫌や」という
ネガティブなマインドを変えさせるところから始めなくてはなりません。
これには、大変な労力と膨大な時間がかかります。
もちろん、我々は決してあきらめずに、叱咤激励を繰り返しながら、
ありとあらゆる働きかけを行っています。
しかし最終的には、マインドを変えるということこそ、当人の心掛け次第ですから、
一体そのマインドチェンジがいつになるかは正直我々にも分からない。

通い始めて1~3ヶ月で「結果が出ない」と言う方がおられますが、
覚えることを拒否するマインドのままで居られたのでは、結果が出ないのは当然です。
「そこを変えなくても何かうまい手があるんじゃないか」なんていうのは、幻想です。
おそらく、脳を改造して記憶チップを出し入れできるようにならないと無理でしょう。

我々としても、できることなら、
覚えさせることなんかに時間と労力を割くのではなくて、
教えること、理解させることに時間と労力を注ぎたい。
本来なら、ただ覚えるだけの作業なんていうのは宿題にしてしまって、
皆が基本事項を覚えていることを前提に授業をしたいのです。

しかし、覚えて来るようにという宿題をまともにやれる子供は
もうほとんどいなくなってしまいました。
つまり、ほとんど全員、勉強ができるようになるために
マインドチェンジを促すところから始めなくてはいけないのです。

実際、このマインドチェンジが起きた子供から出来るようになって行きます。
最初から素直に覚えようとしてくれる子や早期にマインドチェンジが起きた子は
ほんの数ヶ月、ときには数週間でも結果が出ます。
しかし、残念ながら、今の教科書クラスの生徒たちは、今回の試験結果を見る限り、
未だにこのマインドチェンジができていないということがはっきりしたわけです。

では、どうして、そんなマイナスばかりのネガティブなマインドを
多くの人は変えられないのでしょう?

カギになるのは「楽をしたい」という気持ち、怠惰の誘惑だと思います。
人間ですからそう思いたい気持ちは人情として否定はしません。
しかし「人生、そうそう楽ができるものではない」。これを否定する大人はいないでしょう。
それが「現実」というものです。

少なくとも、楽をしたいのであれば、どこかで頑張らなくてはならない。
これまた当たり前です。それはいつなのか?いつであるべきなのか?
個人的には、頑張ろうと思えばいつでも頑張れると思うのですが、
一般的には、身体が元気な若い時に頑張っておくべきなのでしょう。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」という諺は、このことを言ったものだと思います。

であれば、大人は心を鬼にして子供に頑張らせなくてはならないはずです。
子供がやらなくてはならないことから逃げそうになったら、
それを許さないのが大人の務めというものでしょう。

新年度の説明会でも申しましたが、今年から教科書クラスを創設したのは
最終的に出来るようになるという一つのゴールを、
二つのアプローチで目指せるようにということであって、
教科書クラスなら「楽ができる」ということではありません。

ちょっと考えれば分かることですが、
たとえば、英語が出来るようになるために必要なことというのは、
学校の教科書で教えようが、我々の選定するテキストで教えようが、何も変わりはありません。
覚えなくてはならないことは、やはり覚えなくてはならないし、
理解するのが難しいところはやっぱり難しいままです。
当然、それを覚えるのも自分、理解するのも自分ですから、
「覚えたくない」「しんどいことはしたくない」というネガティブなマインドのままでは、
どっちのクラスで授業を受けても結果は出ないでしょう。

もし、クラスを選択する際に、
教科書クラスの方が「楽ができる」からいいと考えた人は、
自分のネガティブなマインドを変えるつもりがないと宣言しているようなものです。
これは、我々が教科書クラスを創設する際に一番危惧したことなのですが、
そういう人は、同じ内容を勉強する時間だけが増え、
結果は大して変わらないという罠にはまるおそれがあります。

付記しておきますと、
どちらのクラスにするかを随分と悩んだうえで、最終的に発展クラスを選択した今年の塾生たちは、
昨年よりも試験対策期間がかなり短かったにも関わらず、
今回の中間試験の得点が大幅に伸び、全員が5教科で400点の大台を突破しました。
対策時間は教科書クラスの5分の1ほどですから、学習効率は5倍以上ということになります。

これは試験前の準備(自分で必要なことをきちんと覚える等)を
自分でやるという覚悟を決めてクラス選択をしたことで、
ネガティブなマインドを克服したことが大きいのだと思います。
実際、発展クラスの子たちは試験前には塾へ来て、進んで自主勉強をやっていました。
今のところ、教科書クラスを作ったことによる効果は、
主に発展クラスに現れるという皮肉な結果になっています。

いずれのクラスにいるにせよ、
結局、覚えるべきことは覚えなくてはならないわけですから、嫌がっていても始まりません。
たとえその際にストレスを感じるにせよ、逃げないで頑張ってもらいたいものです。
「どこかにもっと楽な方法があるんじゃないか」と考えたい気持ちはわかりますが、そんなものは幻想です。
自分の代わりに誰かが覚えてくれるわけでも、考えてくれるわけでもありませんから、
ネガティブなマインドを早く克服して、自分の抱えている問題点と正面から向き合ってもらいたいと思います。


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