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この国が忘れたものⅡ 精神力 その1
1.「メンタル面」の大切さ

 太平洋戦争(第二次世界大戦)に敗北して以来、私達日本人は「精神力」とか「大和魂」いう言葉を

避けて来たように思います。確かに、こういう言葉は右翼的なにおいがして、反射的に拒絶反応を示

す人も少なくないのでしょう。しかし、オリンピック中継などでを見ていると、「大和魂」の代わりに「侍

魂」という言葉が頻繁に使われていて、それはそれで妙な違和感を覚えます。

 ちなみに「侍」という言葉は、「さぶらふ」という語から出来たもので、これは誰かに「仕える」、側に

「ひかえている」という意味ですから、「侍魂」と言ったところで、あまり勇ましい響きはしないのです。

どうしても「大和魂」という言葉を避けたいのなら、むしろ「武(武士)の精神」とでも言うべきなのかもし

れません。

 「精神力」という言葉にしても、二十年ほど前までは特にスポーツの世界で頻繁に使われていたよう

に思いますが、今はほとんど耳にしなくなりました。代わりに「メンタル面」とか「気持ち」という言葉が

多用されているように思います。私も体育会系の人間でしたので、技術面や戦略面のことをほとんど

無視して「精神力」ばかり強調する指導法には強く反発した経験があり、その意味では、以前はあま

り良いイメージがない言葉でした。おそらく、そうした状態への反動(とくに長く低迷した日本スポーツ

界への批判)から、「精神力」という言葉が避けられるようになったのでしょう。今ではもう、ほとんど死

語と言ってもいいくらい耳にしなくなりました。

 こうして「大和魂」という言葉も「精神力」という言葉も、日本人が伝統的に持つ、過去の歴史に対す

る嫌悪感から、使われなくなって行ったのだと思います。私達は「嫌な思い出は早く忘れたい」と感じ

る民族なのです。そして、私達日本人は無意識のうちに、人間ならみんな同じように感じるはずだと考

えます。しかし実は、そんなふうに過去を「水に流す」という感覚を持つ民族は世界的に見ると非常に

珍しいのです。私の知る限りでは、日本人だけです。たとえば、「水に流す」という言葉を英語にするこ

とはできません。

 もちろん、「水に流す」というのは日本人の持つ大きな美徳です。しかし、そのために本当の意味で

の反省が行われないということを自覚すべきだとも思います。私達日本人は、時代が変わるたびに、

過去を「水に流す」ことで新しい時代に適応して来ました。しかし、それ故に、過去から学ばず、以前

の時代に優れていた点まで放棄してしまう民族なのです。だから、本当の反省、つまり、失敗の本質

と問題点を徹底的に学んで次に活かす、ということをしません。だから、同じ失敗を何度も繰り返す悪

い癖があるのです。

 明治維新の時期に盲目的に西洋化するのではなく、江戸時代に培った日本文化の美点と西洋文化

の欠点を理解した上で近代化が行われていれば、その後の日本の運命も大きく違っていたでしょう。

そうしていれば、もしかすると、あのような大きな敗戦を経験せずに済んだのではないかと思います。

 「大和魂」とか「精神力」という言葉が死語になりつつあるという現状を見ていると、やはり私達が相

変わらず同じ失敗を繰り返そうとしているように思えます。こうした奇妙な言い換えをすると、その言葉

が持つ意味は、その言葉がもともと表していた本質から少しずつズレて行きます。その言葉が表して

いた本質からズラすために言い換えを行うのですからそうなって当然です。言い換えを行い、ほとんど

無意識にその言葉が本来表していたはずの本質を避けていれば、やがて人々の心の中から、それを

大切にしようという意識も失われて行くでしょう。

 言うまでもなく、スポーツであれ勉学であれ「精神力」というのは、能力の向上をはかるうえでも、

勝負に勝つうえでも、非常に大切な要素です。別に「メンタル面」「気持ち」と言い換えても構いません

が、だからと言って、その重要性に変わりはありません。今、子供達の学力や体力が非常に落ちてい

るのには、もちろん様々な原因があると思いますが、とりわけ、ここ一番というときに「気持ち」で乗り

切るということの大切さを教えられていないということが非常に大きなウェイトを占めているように感じま

す。

 もちろん、「気持ち」で何でも解決するわけではありませんが、技術などそれ以外の要素が同等な

ら、「気持ち」の強い方が勝つのは当然の帰結でしょう。しかし、今の子供達は、このことを全くと言っ

ていいくらい理解していないのです。たとえば、試験前に苦手な教科を勉強しなければならないとしま

しょう。このとき「やりたくない」と感じるのはみな同じです。そこを「気持ち」で持っていくことができるか

どうか、それが将来を大きく分けるのは間違いありません。しかし今、それができる子供は本当に少

ない。と言うより、ほとんどいないと言っていいと思います。

 この仕事をしていると、能力の差というのは、そうした「精神力」の差によって生じるとしか思えないこ

とが多いので、今の子供達が普段の生活でそれを学べる場が少ないことを非常に残念に思います。

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