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真教育論 その2
「教育論1」で教育というのは綺麗事ではなく、その根本は「文化・社会による支配への服従を
強いること」だと述べました。その意味で教育は、教える者と学ぶ者という「上下関係」を前提と
した「垂直的な営み」なのです。昨今、テレビなど多くのメディアで多くの論者が教育を論じて
いますが、その殆ど全てが教育の持つ垂直性を無視しているように思います。

 確かに、学ぶ者の自由意志や自主性を尊重するという考え方は耳障りが良く、誰でも受け入れ
易いものです。それで教育が成立するのであれば、教える者は学ぶ者を叱る必要も、苦言を呈する
必要もありません。そして、学ぶ者はただただ楽しく学習でき、誰も辛い思いをしなくて済む
でしょう。もしそれで教育が成立するのであれば、誰しも理想的な教育現場だと思うでしょう。

 しかし、こうした教育の捉え方には致命的な欠陥があります。それは、教育を「水平的な情報
伝達」だと考えている点です。そこでは、自らの自由意志で学ぼうと思い立ち、初めから学習に
対して自主性を持った学習者がいて、知識の教示者たる教師がそれに情報(知識)を伝えるという
図式で教育が捉えられています。そこでは如何なる強制もないことになります。学ぶ者と教える者は
水平的に捉えられ、持っている知識の多寡を除いては平等であると見なされることになります。
こうした教育論を理想として掲げた教育現場では、教えを乞うはずの相手(教育者)を馬鹿したり
見下したりする学習者(生徒)と、間違ったことをした学習者を叱ることもできない教育者(教師・
大人)が増えて当然だと思います。現実には、最初から学ぼうという自由意志を持っている生徒
ばかりではない、というか、そんな生徒はほんのわずかで、そういう生徒でさえ生まれつきそう
であったはずがなく、それまでの家庭教育の賜物でしょう。

 現実の教育には、嫌でもやらなければならない、やらさなければならないことが必ずあります。
学ぶ者の自由意志や自主性だけで教育が成立するのは、垂直的な教育を経て、学び方を習得し、
自らに必要なこととそうでないことを峻別できるレベルに達した者で、かつその教育の結果に
学ぶ者の側で責任を持てる状態でなければあり得ません。成人してからキャリアアップのために
通う語学学校であるとか、文化教室などで特定のスキルを習得するために学ぶ場合等がこれに
当てはまります。こうした教育の場では、その効果も自己責任であり、また途中でもやめること、
放棄することができます。しかし、家庭教育や学校教育などの子供を対象とする教育は、他に
選択の余地がなく、逃げることもできないものですから、どうしてもある種の押し付けと強制を
伴う「垂直的なもの」にならざるを得ないのです。

 私達が入塾したての生徒によく言うのが「好き嫌いは関係ない。とにかくやれ」という科白です。
多くの生徒達が「嫌いだ」という理由で逃げようとするからです。教育の根本が「垂直的なもの」
であるということを理解すれば、それが間違っていることは明らかです。親が嫌いだからと言って、
親を代えるわけには行きません。否応なくその家庭の流儀には適応しなければならないのです。
学校教育の場合は、それが社会に適応するために不可欠な常識と知識を身につけるため、現代では
とりわけ資本主義産業社会の中で優秀なプレイヤーとなることが求められるのですが、それは生ま
れる家庭を選べないのと同様、生まれる国や時代が選べない以上、避けては通れない道なのです。

 それなのに、自由意志の尊重だとか、自主性を大事にするというのは、欺瞞以外の何ものでも
ないと思いますし、教育者としてはその責任を放棄しているに等しいと思います。垂直的教育に
よって自主性を育てないでおいて、社会に出てから成功できないのは自己責任と言われたのでは
詐欺にあったような気持ちになるでしょう。我々は、この国の教育の惨状を憂える者の一人として、
また、教育者の一人として、大人と子供、親と子、先生と生徒、先輩と後輩といった人間関係に
垂直性を取り戻すためにも、厳格な大人でいようと日々努力しています。

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