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祝 北海道大学 合格!
小4から新風館に在籍し、今年度で卒業する塾生のF君が、見事
北海道大学水産学部に現役で合格いたしました。

本年度の卒業生は先に紹介した明治大・法政大・関西大に合格した塾生と、
彼の2名ですので、お陰様で全員が第一志望校に進学することになりました。
しかも彼の合格で、2014年の神戸外大、2015年の京都大、2016年の山口大に続き、
新風館から4年連続で国公立大合格者を出すことができました。

彼も、一昨年度に京都大に進学した塾生と同様、男らしく北大一本勝負を挑みました。
センター試験の出来が良かったので、出願すれば必ず通る国公立大学があったにも拘わらず、
あえて前後期ともに北大に出願し、前期試験で見事合格を勝ち取ったのですから、
憎たらしいくらいカッコイイです。

こんなことを言うと、彼に悪いのですが、
彼が新風館に通い始めた小4の頃のこと思うと、文字通りの別人です。
入塾当初、漢字がなかなか覚えられなくて泣きべそをかいていたことを思うと、
そのあまりの変わりように、何だか不思議な気持ちにさえなります。
当時の方が今より確実に老け顔でしたね(笑)
今は、知性を備えた凛々しい顔つきの男前です。

もともと彼には吃音があって、文字を音読するのが苦手だったこともあり、
昔から国語を苦手としていました。
それもあってか、口数は多くない男なのですが、
根っから「いい奴」ですので、誰もが好感を抱く人柄の持ち主です。
当然人望があり、中学生の間に少しずつ、同世代の塾生の中で中心人物になっていました。

中1・2の間は小学校から続けて来た野球を軸に生活が回っていたと思います。
勉強については特別できる塾生でもありませんでしたし、
野球で目立った活躍をしていたわけでもなかったようです。
しかし、「継続は力なり」の言葉通り、地道に積み重ねて来たものが中3で開花し始めます。

中3も半ばに差し掛かる頃には、
後から入塾して来た同学年の塾生たちが、彼を中心として、
近年ではほとんど目にすることができなくなった、良きライバル関係を築いていきました。
文字通り互いに切磋琢磨し、互いを高め合う素晴らしい関係です。
レベルUPテストでも競い合って、4人で一気に高いレベルまで駆け上がりました。
彼もこの頃には小学生の頃の泣きべそをかいていたイメージを完全に払拭し、
「不言実行」という言葉が似合う快男児に成長していきました。
そういう彼がいたからこそ、他の3名もあそこまで成長できたのだと思います。
もし彼がいなかったとしたら、
同学年の塾生は高校入試であれほどの成果は出せなかったことでしょう。

同世代の塾生のうち、1名は須磨学園Ⅲ類・星陵に、1名は須磨学園Ⅱ類・北須磨に合格し、
この両名は須磨学園の成績優秀者として同校配布の資料に掲載されました。
さらにもう1名は須磨学のⅠ類と神戸高専に合格、
この3名に彼を含めた計4名が新風館高校部に残りました。
(うち1名は家庭の事情もあって、残念ながら高2途中で退塾しましたが)
彼自身は育英の特進理系(特待生)・北須磨に合格しました。

私立の併願校を見ても分かるように、実は、高校進学の時点では、
この4名の中で彼が学力的に一番というわけではなかったのです。
しかも、北須磨高校に進学した後は、
先のブログで紹介したもう1名の塾生とともに吹奏楽部に入ったのですが、
ほどほどにやるつもりで始めたはずが、彼の場合には、その人望ゆえに、
同級生からも顧問からも随分と頼りにされていたようで、
結局、高2の間はあまり手を抜くこともできず、
勉強面で大きなリスクを背負うことになりました。
高2の間、部活動との兼ね合いで、
苦手とする国語の授業を受講できない状態だったからです。

ですから、正直に言うと、文系教科担当の私は最後まで受験結果が不安でした。
しかも北大一本勝負と来たものですから、まさにヒヤヒヤものでした。
センター試験を上手く乗り切ったときは本当にホッとしました。

もちろん理系教科、特に数学については中学生の頃から光るものがあって、
上記の4名の中でも最も切れ味が鋭かったですから、
受験は理系教科の出来による所が大きかったと思います。
得意技を最後まで得意技として活かせる強さが彼にはありました。
長年に渡って磨き上げた能力に勝るものはないということを、
彼は見事に証明してみせたわけです。

彼のように小・中学校で野球をしていた人間が、
高校から吹奏楽に熱中するというのも珍しい話ですが、
彼の場合は、その経験を通じて、
野球部のような、いわゆる体育会系の人間が持つ典型的な思考・行動パターンについて
大いに疑問を持ったようでした。本当に良い経験をしたのではないかと思います。
体育会系と文科系の両方で集団を一つの方向に向かわせるために尽力した経験は、
将来に渡って彼を確実に助けることでしょう。

部活動と勉学の両立は本当に難しいことです。
彼の場合、部活動・勉学のいずれについても、
彼の持つ、ひたむきな姿勢が結実したと言い切ってよいと思います。
誘惑の多い思春期に、遊びにうつつを抜かすことなく、
何事に関しても謙虚に取り組む姿勢を貫いたからこそ、
大学入試も、この素晴らしい結果に結びついたのだと思います。

先日の授業中にも、
「今の子供達は学年に関係なく、入塾の時点では主語と述語を理解している人がいない」
という話になったとき、彼は、
「僕もここに来ていなかったら同じような状態だったと思うんで、人の事言えないです」
と言っておりました。
高い所まで登って来た人間なのに、謙虚な気持ちを忘れず、
決して自分が元いた場所、下にいる人間をバカにしたりしない、
そういう温かい思いやりの気持ちを持った彼の人間性があってこそ、
奢ることなく、地道な努力を続けられるのでしょう。

「地道な努力に勝るものはない」ということを、
ライバルの塾生達に対しても、身をもって示した彼。
とりわけ途中で辞めていった元塾生との立ち位置は、今では完全に逆転し、
おそらくこの先も元に戻ることはないでしょう。
彼は黙々と努力を続けられる人間だし、
また、その際も決してしんどそうな顔をしない男ですから。

彼のような人間が増えれば、きっとこの国はもっと優しい社会を築くことができるでしょう。
そういうスピリッツの面でも、彼は新風館の小中高一貫教育の理想を体現してくれました。

もちろん、彼の成長はご両親の支えがあってのことです。
彼のご両親は彼が北大一本で勝負をすると決めた時も、
「自分の好きなようにしたらいい」と言ってくれたそうです。
そういうご家庭があったからこそ、
我々も彼の教育に心置きなく尽力することができました。本当に感謝です。

この先、彼に明るい未来が待っていることは疑う余地がありません。

本当にお見事!そして、本当におめでとう!


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